田中明彦さんのC型肝炎インターフェロン治療体験記

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C型肝炎治療記(その3)

田中明彦(仮名)64歳 男

■ウィルス量の単位が間違っていました

換算表
HCV-RNA定量
従来検査法 新検査法

オリジナル法

(KIU/ml)

ハイレンジ法

(KIU/ml)

リアルタイムRT-PCR法

TaqMan検査

(LogIU/ml)

0.015 0.015 1.2
0.025 0.025 1.4
0.05 0.05 1.7
0.075 0.075 1.9
0.1 0.1 2
0.25 0.25 2.4
0.5 0.5 2.7
0.75 0.75 2.9
1 1 3
2.5 2.5 3.4
5 5 3.7
7.5 7.5 3.9
10 10 4
25 25 4.4
50 50 4.7
75 75 4.9
100 100 5
250 250 5.4
500 500 5.7
750 750 5.9
1000 1000 6
2500 2500 6.4
5000 5000 6.7
7500 7500 6.9
10000 10000 7
25000 25000 7.4
50000 50000 7.7
69000 69000 7.8
最近、新しいHCV-RNA定量検査法が開発され、すでに多くの医療機関で採用しているようです。これまで全く気づいていませんでした。

にわか勉強のため、内容や表現に誤りがあるかもしれませんが、私の理解した範囲で記載してみました。間違っていたらごめんなさい。

新検査法は、測定範囲や精度を飛躍的に向上したもので、リアルタイムRT-PCR法であるHCV RNA定量検査(TaqMan検査)と呼ばれています。右表に従来検査法と新検査法の測定範囲(緑色)を示しました。


従来検査法は、オリジナル法とハイレンジ法の2種類があり、ウィルス量に応じてそれぞれ使い分けされていたようです。しかし、その計測範囲は両者を合わせても0.5~5,000KIU/mlでした。

これに対し、新検査法では1.2~7.8 LogIU/mlが測定範囲となります。ただし、単位は対数表示(Log)となっていますので、そのままでは比較できません。右表を使って従来法の単位に換算すると、測定範囲は0.015~69,000 KIU/mlとなります。

このように、新検査法では大量のウィルス量から極微量のウィルス量までを一度に測定できるようになりました。

特に極微量のウィルスが測定できるようになったことで、陽性・陰性の判定基準は以下のようになっています。
従来検査法では、測定下限値である0.5 KIU/ml未満を陰性としていたようです。これに対し、新検査法では1.2 LogIU/ml(0.5 KIU/ml)未満が一応の基準となりますが、検査結果の特記欄を注視する必要があります。

1.2 LogIU/ml未満(検  出)     →「陽性」

1.2 LogIU/ml未満(応答なし、検出せず)→「陰性」

 おおもりクリニックでは、昨年5月頃には新検査法を採用していたようです。したがって、前回の表中(前半の治療経過「5~10月」)で示したウィルス量の単位は、KIU/mlではなく、LogIU/ml の誤りでした。また、私の治療開始前のウィルス量610KIU/mlは、新検査法に換算すると約5.8 LogIU/mlとなります。訂正させていただきます。



■後半の治療経過(2008年11~12月)

2008年11月、いよいよ後半にさしかかりました。

この頃には注射にもだいぶ慣れてきました。注射の折、看護師さんは毎回のように「ごめんなさい。チクッとします。痛いです。ごめんなさい・#12301;(ブスッ!)を繰り返しています。その言い方がなんともおかしくて、思わず噴出しそうになってしまいます。いや、失礼・#12290;余裕の現れでしょうか。

このまま何事もなく順調に行くかと思いましたが、そうでもなかったようです。お風呂に入り、体が温まってくると、毛穴という毛穴が「チクチク・ピリピリ」。かゆみを増幅させながら全身を駆け巡ります。まるで静電気風呂に入れられ、拷問を受けているかのようです。

ずっと以前からですが、鼻やその周辺部の角質が剥がれ落ち、カサカサ状態になっていました。どうも私の場合、アトピー性皮膚炎のようです。しかし、特に医者へも行かずそのまま放置していました。ところが、インターフェロン治療を行ってからはこの症状が一段と悪化し、しかもかゆみを伴うようになってきました。試しに、かゆみ止めの塗り薬(マイザークリーム)を塗ってみたところ、カサカサ状態が「アッ!」という間に改善してしまいました。

・#12381;うそう。この間床屋に行ったとき、ご主人が私の頭をしげしげと覗き見ながら不思議そうな顔をしています。「どうしたの?」と聞くと、「1センチほどの円形脱毛みたいなものがある」。・#12363;ゆさのあまり、いつもかきむしっていた場所です。「弱り目に祟り目」、「薄毛に円形脱毛」。最悪のパターンです。このまま最後までかゆいままなのでしょうか。大森先生によれば「かゆみを薬で調整しながらうまく付き合うしかない」とおっしゃいましたが、それにしても「かゆい」です。

11月中旬、インターフェロンの副作用を調べるため、大森先生の勧めで眼科に行ってきました。眼底検査の結果、右目に若干の出血が認められました。眼科医から「血圧は?糖尿は?動脈硬化は?」との質問を受けましたが、「いずれも該当しない」とお答えしたところ、首をかしげていらっしゃいました。

眼科で頂いた診断書を大森先生にお見せしたところ、インターフェロンの副作用は、「小さな白いモヤモヤ状のものがあちこちにできるのが特徴であり、この出血はインターフェロンの影響によるものではない」とのことでした。現在も出血原因は不明のままです。

■ 後半の治療経過(2009年1~4月)

2009年元旦、お正月だというのに今年も私の目の前にはお酒がありません。周囲では真っ赤な顔をして騒ぐ者。酔いつぶれて寝込む者。人の気持ちも知らないで大盛り上がりです。実に寂しく、うらやましいお正月でした。しかし、今年はC型肝炎と決別できるかどうかの節目の年です。気合を入れ、いつもより念入りに初詣をすることに・SPAN lang=EN-US>

1月の検査結果は、ALT、AST共に相変わらず高値で推移しています。完治した方々の記録によれば、治療中にALTが20IU/dl以下となっているケースが多いようです。大森先生によれば、「あなたの場合、血液中のウィルスが消えているから、ウィルスによるものではない」、「インターフェロン治療が終わるとよくなります」、「気にしないでください」とのことでした。しかし、そうは言っても、ALT、AST値が高いということは、肝組織が壊れ、酵素が血液中に流れ出ていることに違いありません。

大森先生には申し訳ないと思いつつも、インターネットで調べてみました。その結果、「ALTが急激かつ300~500 IU/dlぐらいに上昇すると、自己免疫性肝炎の疑いもあるため、自己抗体を測った方がよい。これに該当しなければ特に問題ない」とのことでした。大森先生のおっしゃるとおり、私の場合は全く問題ないようです。むしろ「治療が良い方向に働いている」と解釈した方が良さそうです。

2008年11月~2009年4月 後半の検査結果  (※インターフェロン終了後の検査結果)

項 目

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月※

ALT(IU/dl)

43  44  54  46  39  43  48

AST(IU/dl)

41  39  46  41  34  38  39

血小板(万平方mm)

6.6  7.1  9.2  7.6  8.1  8.8  8.8

γGTP(IU/dl)

43  43  45  36  44  42  40
HCV-RNA定量(LogIU/ml)  1.2未満(増幅反応シグナル:検出せず)



2月、少しかゆみが治まってきたような気がします。試しに、かゆみ止めの塗り薬を止めてみました。1日目、2日目・#12290;かゆいのはかゆいですが何とか我慢できます。3日目、鼻周囲の角質が再び剥がれ落ちてきました。頭もかゆくなってきています。しかし、その他の箇所については、以前のかゆさとは比べものにならないくらい楽になっています。以前は孫の手ならぬ棒切れを片手に背中をゴリゴリしていましたが、今はまったく不要となっています。現在、塗り薬を、オイラックスクリームに変更し(治療初期に処方していただいたもの)、必要以外なるべく塗らないようにしています。

少し副作用が軽減してきたのでしょうか。かゆみが薄らいできたと同時に、抜け落ちる髪の毛の量も大分少なくなった気がします。別にうぶ毛が生え始めてきたわけではありませんが、身の回りに落ちる髪の毛の量を見ると大分少なくなっています。余り期待しませんが、現状維持であればそれにこしたことはありません。

いよいよ3月末で48週の治療完了となります。しかし、治療完了を目前にすると、「再燃」という言葉が脳裏をかすめるようになり、「果たしてこのまま治療を終えても大丈夫だろうか」などと不安が募り始めてきました。

平成20年11月の厚生労働省肝炎治療戦略会議によれば「治療期間を長くすると治癒率が向上する」とのデータを示しています。



■最後のインターフェロン注射

2009年4月、長かった治療もようやく終えるときが来ました。最後の1本の注射を打ち終わったとき、皆さんから「お疲れ様でした」と声をかけていただきました。指折り数え、待ち望んでいた瞬間です。

これからは、6ケ月間の経過観察です。結果が分かるまで、待ち遠しいと同時に、果たして完治できるのか、新たな不安が募り始めてきます。こうなったら、ひたすら神仏に頼るしかなく、半ば開き直りの心境です。

丁度、ウィルスの存在が発覚した頃ですが、弘法大師によって開かれたとされる高野山に出かけたことがあります。

幾百年もの歳月をかけて成長したのでしょうか。巨大な杉の大木が天に向かって真直ぐと伸びています。その枝葉が幾重にも重なりあって空全体を覆い尽くし、たとえわずかな日の光さえ地表に届くのを拒んでいるかのようです。その足元には歴史上の重要人物のものでしょうか、苔むした多くの墓石がところ狭しと立ち並び、独特の雰囲気をかもし出しています。時折吹く冷たく澄み切った風を肌に感じながら参道を歩いていると、体全体に何かを感じるような神秘的な感覚を覚え、いかにも霊験あらたかといった感じでした。お札を頂いて、今も大切に額に入れて飾っています。

苦しいときは、神でも仏でもなんにでも頼みます。もしも完治できれば、今一度高野山に行き、完治の報告とお礼参りをしてきたいと思っています。



(経過観察結果は11月頃の予定)